材料力学の問題における応力解析では、モール円を使用して応力状態を視覚化し、主応力や最大応力、最大せん断応力などを求めることが重要です。本記事では、平面応力状態におけるモール円を使用した解析方法を詳しく解説し、質問にある問題に対応する手順を示します。
平面応力状態におけるモール円の求め方
まず、与えられた情報を整理します。問題において、平面応力状態でσz=0、σx=100MPa、σy=-20MPa、τxy=-60MPaです。これらの応力からモール円を作成し、中心座標、半径を求めることができます。
モール円の中心座標は次のように計算できます。
中心座標 = (σx + σy) / 2, 0
ここでは、σxとσyが与えられているため、中心座標を計算します。
中心座標 = (100MPa – 20MPa) / 2 = 40MPa
したがって、モール円の中心座標は(40MPa, 0)です。
モール円の半径は、次の式で求めます。
半径 = √{((σx – σy)/2)² + τxy²}
これを計算すると。
半径 = √{((100MPa + 20MPa)/2)² + (-60MPa)²} ≈ 70.7MPa
最大応力、最小応力、最大せん断応力の求め方
モール円を利用して、最大応力(σmax)、最小応力(σmin)、最大せん断応力(τmax)を求めることができます。
最大応力と最小応力は、モール円の左右の交点に対応します。これらは次のように求めます。
σmax = (σx + σy) / 2 + 半径
σmin = (σx + σy) / 2 – 半径
したがって、最大応力は約110.7MPa、最小応力は-30.7MPaです。
最大せん断応力は、モール円の半径に等しいため、τmaxは70.7MPaとなります。
主応力が作用する面の回転方向と角度
次に、主応力が作用する面までの回転方向と角度を求めます。モール円を利用して、主応力が作用する面の角度を計算することができます。
主応力が作用する面の角度θは、次の式で求められます。
tan(2θ) = τxy / (σx – σy) / 2
これを計算すると、θ ≈ 45° となります。したがって、主応力が作用する面は約45°回転した位置にあります。
外力作用から実空間での応力状態
問題において、52.5°の回転後の新しい応力状態を求めるには、次の式を使用します。
σx’ = (σx + σy) / 2 + (σx – σy) / 2 * cos(2θ) + τxy * sin(2θ)
σy’ = (σx + σy) / 2 – (σx – σy) / 2 * cos(2θ) – τxy * sin(2θ)
τxy’ = – (σx – σy) / 2 * sin(2θ) + τxy * cos(2θ)
これらの計算を行うことで、52.5°の回転後の新しいσx、σy、τxyを求めることができます。
まとめ
この問題では、モール円を用いて平面応力状態の応力解析を行いました。モール円の中心座標、半径、最大応力、最小応力、最大せん断応力を求め、主応力が作用する面の回転方向と角度を計算しました。最後に、外力作用で52.5°回転した後の応力状態も求める方法について解説しました。これらの解析は、材料力学における基本的な応力計算の手法として、重要な役割を果たします。
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