テイラー展開を使って関数の近似を求めることは、微分法や解析学で非常に重要な技術です。この記事では、指定した点を中心にテイラー展開を行い、一次近似と二次近似を求める方法を解説します。具体的には、y = sin(x) と y = log(x) の関数をそれぞれ、x = π/6 および x = 1 の周りでテイラー展開し、一次近似と二次近似を求めます。
テイラー展開とは?
テイラー展開は、ある関数をその点での値、導関数、二次導関数などを使って多項式の形で近似する方法です。テイラー展開を使うことで、関数を簡単な多項式に置き換え、その近似を使って計算を簡素化することができます。
テイラー展開の一般的な形式は次のようになります。
f(x) = f(a) + f'(a)(x-a) + f”(a)(x-a)²/2! + …
ここで、aは展開を行う中心の点で、f'(a) や f”(a) はその点での導関数や二次導関数の値です。
y = sin(x) のテイラー展開(x = π/6 の周り)
まず、y = sin(x) を x = π/6 を中心にテイラー展開して、一次近似と二次近似を求めます。まずは、必要な導関数を計算します。
- f(x) = sin(x)
- f'(x) = cos(x)
- f”(x) = -sin(x)
次に、x = π/6 でこれらの関数の値を求めます。
- f(π/6) = sin(π/6) = 1/2
- f'(π/6) = cos(π/6) = √3/2
- f”(π/6) = -sin(π/6) = -1/2
これらをテイラー展開に代入すると、次のように展開できます。
sin(x) ≈ 1/2 + (√3/2)(x – π/6) – (1/4)(x – π/6)²
これが一次近似と二次近似です。一次近似は線形の項だけで、二次近似は二次の項も加えたものです。
y = log(x) のテイラー展開(x = 1 の周り)
次に、y = log(x) を x = 1 の周りでテイラー展開します。必要な導関数は次の通りです。
- f(x) = log(x)
- f'(x) = 1/x
- f”(x) = -1/x²
次に、x = 1 でこれらの関数の値を求めます。
- f(1) = log(1) = 0
- f'(1) = 1/1 = 1
- f”(1) = -1/1² = -1
これらをテイラー展開に代入すると、次のようになります。
log(x) ≈ 0 + (1)(x – 1) – (1/2)(x – 1)²
これが一次近似と二次近似です。一次近似は線形の項、二次近似は二次の項も含まれます。
まとめ
テイラー展開を用いて関数の近似を求める方法は、関数の挙動を簡単な多項式で表現し、計算を効率化するための強力なツールです。今回は、y = sin(x) と y = log(x) をそれぞれ、指定した点でのテイラー展開を行い、一次近似と二次近似を求めました。
一次近似は関数の直線的な近似を提供し、二次近似はさらに精度の高い近似を行います。これらを使いこなすことで、関数の特性をより正確に理解することができます。
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