複素関数における正則性を確認するためには、コーシー・リーマンの条件を利用することが重要です。この問題では、関数f(x, y) = |x + iy|が正則関数かどうかを問われています。まずはこの関数の正則性のチェック方法について解説します。
正則関数とは?
正則関数(または解析関数)とは、複素平面のある領域で微分可能な複素関数を指します。微分可能であるためには、コーシー・リーマンの条件を満たす必要があります。この条件は、複素関数が実部u(x, y)と虚部v(x, y)に分けられた場合に、次の式が成り立つことを要求します。
∂u/∂x = ∂v/∂y と ∂u/∂y = -∂v/∂x
f(x, y) = |x + iy|の解析
関数f(x, y) = |x + iy|は、x + iyの絶対値を取る形で定義されています。ここで、z = x + iyという複素数に対して、絶対値|z|は次のように表されます。
|z| = √(x² + y²)
コーシー・リーマンの条件の確認
f(x, y) = |x + iy|の場合、実部u(x, y)はu(x, y) = √(x² + y²)、虚部v(x, y)はv(x, y) = 0です。このとき、コーシー・リーマンの条件を確認するために、u(x, y)とv(x, y)の偏微分を計算します。
∂u/∂x = x / √(x² + y²) 、∂u/∂y = y / √(x² + y²) 、∂v/∂x = 0 、∂v/∂y = 0
結果と結論
これらの偏微分を比較すると、コーシー・リーマンの条件が満たされないことがわかります。特に、∂u/∂x ≠ ∂v/∂y と ∂u/∂y ≠ -∂v/∂x となっており、この関数は正則関数ではありません。従って、f(x, y) = |x + iy|は正則関数ではないと結論できます。
まとめ
f(x, y) = |x + iy|という関数は、コーシー・リーマンの条件を満たさないため、正則関数ではありません。複素関数が正則であるためには、コーシー・リーマンの条件を満たす必要があり、そのためには実部と虚部の偏微分に関する条件が成立しなければなりません。
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