「nが整数のとき、nC0 + nC1 + … + nCn を n の簡単な式で表すとどうなるか?」という質問について、答えは 2^n になります。なぜこの式が成り立つのか、その理由を詳しく解説します。
二項定理とは?
まず、この問題を理解するためには「二項定理」の概念を押さえる必要があります。二項定理は、(a + b)^n を展開する方法を教えてくれる公式です。具体的には、次のように表されます。
(a + b)^n = nC0 * a^n * b^0 + nC1 * a^(n-1) * b^1 + … + nCn * a^0 * b^n
この式の中で、nCi(nC0, nC1, …, nCn)は「二項係数」と呼ばれるもので、n個の要素からi個を選ぶ組み合わせの数を表します。
nC0 + nC1 + … + nCnの意味
問題で問われているnC0 + nC1 + … + nCnとは、実は二項定理を利用した場合の展開結果の係数部分だけを取り出したものです。つまり、aとbにそれぞれ1を代入すると、次のような式が得られます。
(1 + 1)^n = nC0 * 1^n * 1^0 + nC1 * 1^(n-1) * 1^1 + … + nCn * 1^0 * 1^n
これを計算すると、すべての項が 1 となり、結果として。
(1 + 1)^n = nC0 + nC1 + … + nCn
となります。この式は、1 + 1 をn回掛け合わせた結果であり、(1 + 1)^n は 2^n に等しいため、最終的に。
nC0 + nC1 + … + nCn = 2^n
具体例で確認
例えば、n = 3 の場合、次のように計算できます。
nC0 + nC1 + nC2 + nC3 = 2^3 = 8
実際に、n = 3 の場合の二項係数を計算してみると。
3C0 + 3C1 + 3C2 + 3C3 = 1 + 3 + 3 + 1 = 8
このように、実際の値が 2^3 = 8 に一致することが確認できます。
まとめ
「nC0 + nC1 + … + nCn = 2^n」という式は、二項定理を利用して展開したときに、aとbに1を代入した結果であることがわかりました。この式は、n の値が変わっても成立するため、非常に重要な数学的な公式です。
二項係数が持つこの性質を理解することは、代数の他の問題を解く際にも役立ちます。今後、数学の問題を解くときには、このような公式を活用して効率よく解答を導き出すことができるようになります。
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