確率論において、確率変数の期待値を求めることは非常に重要な概念です。特に、2つの確率変数が独立でない場合、その積の期待値を計算する方法に悩むことがあるかもしれません。この記事では、独立でない確率変数の積の期待値をどのように計算するかについて解説します。
期待値とは?
期待値は、確率変数が取る値の加重平均を表す指標で、確率論で非常に重要です。確率変数の積の期待値を求める際には、それぞれの確率変数の期待値と共分散を考慮する必要があります。まず、基本的な期待値の定義を押さえておきましょう。
独立でない確率変数の積の期待値
2つの確率変数XとYが独立でない場合、その積の期待値は単純にXの期待値とYの期待値を掛け算したものではありません。一般的に、独立でない確率変数の積の期待値は次のように計算されます。
E[X * Y] = E[X] * E[Y] + Cov(X, Y)
ここで、E[X]はXの期待値、E[Y]はYの期待値、Cov(X, Y)はXとYの共分散を意味します。共分散は、2つの確率変数がどの程度一緒に変動するかを示す指標です。
共分散の計算方法
共分散は次のように定義されます。
Cov(X, Y) = E[(X – E[X]) * (Y – E[Y])]
共分散は、XとYが独立している場合、0になります。したがって、XとYが独立でない場合には、共分散の値を考慮する必要があります。
共分散が正の場合、XとYは正の相関があり、一方、共分散が負の場合、XとYは負の相関があることを示します。
実例を用いた計算
例えば、XとYが独立でない確率変数で、E[X] = 3、E[Y] = 4、共分散Cov(X, Y) = 2の場合、積の期待値は次のように計算されます。
E[X * Y] = E[X] * E[Y] + Cov(X, Y) = 3 * 4 + 2 = 12 + 2 = 14
このように、共分散を加えることで、2つの確率変数の積の期待値が求められます。
まとめ
独立でない確率変数の積の期待値を求めるには、単純に期待値を掛け算するだけではなく、共分散を考慮する必要があります。期待値と共分散を組み合わせて計算することで、確率変数の積に関するより正確な理解が得られます。確率論ではこのような概念が頻繁に出てくるので、基礎をしっかりと理解しておくことが大切です。
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