ポアソン括弧と解析力学:∂qi/∂t=0 の理由について

物理学

解析力学におけるポアソン括弧を用いた式において、なぜ∂qi/∂tが0になるのかという疑問を抱くことがあります。この問題は、物理量X(q1, q2, …, p1, p2, …, t) の形式で与えられるとき、なぜqiが時間tに依存しないのか、という点に関わります。この記事では、この問題に対する解説を行います。

解析力学におけるポアソン括弧の基本

解析力学では、物理系を記述するために、一般座標qiと共役運動量piを用います。ポアソン括弧は、これらの量を使って物理系の時間発展を記述する方法であり、特にハミルトン力学において重要な役割を果たします。ポアソン括弧は次のように定義されます。

{f, g} = Σi(∂f/∂qi * ∂g/∂pi - ∂f/∂pi * ∂g/∂qi)

ここで、fとgは一般的な物理量で、qiとpiは座標と運動量です。ポアソン括弧を使うことで、物理量の時間発展を計算することができます。

物理量Xとその時間発展

問題文にあるように、物理量Xはqiやpi、および時間tに依存する関数として与えられています。式①では、X(q1, q2, …, p1, p2, …, t) という形で、qiが時間tに依存するかのように見えます。

この時、ハミルトンの運動方程式に基づくポアソン括弧を使って、qiの時間変化を求めます。具体的には、次のような式になります。

dqi/dt = {qi, H}

ここで、Hはハミルトン関数を示します。この式は、qiの時間変化がハミルトン関数とqiのポアソン括弧に比例することを示しています。

なぜ∂qi/∂t=0になるのか

ポアソン括弧を用いて計算を進めると、疑問が生じます。物理量Xがqiに依存し、qiが時間tに依存するはずなのに、なぜ∂qi/∂tが0になるのでしょうか。

この疑問の答えは、qi自体は座標として定義されており、時間tの変化によってqiが変化するわけではないという点にあります。qiの時間変化は、ハミルトン方程式に従って、その動きが決まるため、qiが直接的に時間tに依存しない場合、∂qi/∂tはゼロになるのです。

したがって、qiは式①において時間的な変化がなく、時間tに依存しない場合、∂qi/∂tが0となるのです。これは、ハミルトン力学における時間発展の特性に基づいた結果です。

まとめ

ポアソン括弧を用いた解析力学における式で、なぜ∂qi/∂tが0になるのかという疑問は、qiが時間tに依存しないという事実に起因します。qiは、物理系の座標であり、ポアソン括弧を通じてその時間変化が決まるため、qi自体が直接的に時間tに依存するわけではないのです。この理解が、ポアソン括弧の計算やハミルトン力学の解釈において重要です。

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