ボルトとナットを使用する際、特に鉄製とステンレス製のものでは、供回りしやすさや摩擦に関する疑問がよく挙げられます。これらの違いを理解することは、適切な材料を選ぶ際に非常に重要です。本記事では、鉄製とステンレス製のボルトとナットの供回りの違いについて解説します。
鉄製ボルトとナットとステンレス製ボルトとナットの違い
鉄製ボルトとナットは、一般的に構造物や機械部品で広く使用されます。これに対して、ステンレス製のボルトとナットは耐食性や耐候性に優れていますが、鉄製に比べて摩擦係数が異なります。この摩擦係数が、ボルトとナットの供回りしやすさに影響を与えます。
摩擦係数とは、接触面における摩擦の強さを示す指標であり、この値が高いほどボルトを締めるときに力が必要で、逆に低いと供回りしやすくなります。
摩擦係数と供回りの関係
摩擦係数が高ければ、ボルトやナットが締められる際に発生する摩擦力が大きく、供回りしにくくなります。逆に、摩擦係数が低い場合、供回りしやすくなります。
鉄とステンレスの摩擦係数には違いがあります。鉄は一般的に摩擦係数が高い材料ですが、ステンレスは摩擦係数が低めです。このため、鉄製ボルトとナットはステンレス製のものよりも供回りしにくいことが多いです。
ステンレス製のボルトとナットが供回りしやすい理由
ステンレス製のボルトとナットは、耐食性が優れているため、湿気や化学薬品に強いという特長がありますが、摩擦係数が低い傾向にあります。そのため、同じ締め付け力を加えた場合でも、ステンレス製のボルトとナットの方が供回りしやすくなることがあります。
これは、ステンレスの表面が滑らかで、摩擦力が少ないためです。そのため、使用する際には、適切なトルク管理や、摩擦を補うための潤滑剤の使用が重要になります。
鉄製ボルトとナットの特性と供回り防止方法
鉄製ボルトとナットは、ステンレスに比べて摩擦係数が高いですが、供回りを防止するための工夫がしやすい特性を持っています。鉄製のボルトとナットでは、トルク管理を適切に行うことで、供回りを防止することが可能です。
さらに、鉄の表面にコーティングを施すことで摩擦を減らすことができ、これによって供回りしにくくすることが可能です。例えば、亜鉛メッキを施すことで、鉄の摩擦係数を抑え、滑りを良くすることができます。
まとめ
鉄製のボルトとナットは、一般的に摩擦係数が高く、供回りしにくい特性を持っています。一方で、ステンレス製のボルトとナットは摩擦係数が低いため、供回りしやすくなりやすいです。
どちらの材料を選ぶかは、使用目的や環境条件によって決まります。鉄製のボルトとナットは一般的に供回りしにくいですが、ステンレス製は耐食性に優れているため、適切な使用方法や潤滑剤の使用が重要となります。
コメント
ステンレスボルトは摩擦係数が低いとしていますが、これは逆で摩擦係数は異常に「高い」のではありませんか? 高いからこそ、ステンレスボルトは「焼き付き」問題を起こします。鉄製ボルトは焼き付き難いのに、ステンは焼き付くのです。この観察事実から、貴方のいうステンは摩擦係数が低いのは、貴方の勘違いでしょう。
★ステンは摩擦係数が大きい為に、ナットを締めた時にボルトを「連れ回り」させようとします。ナットめねじとボルトのおねじが噛みつくためです。ですから、鉄製ボルトなら連れ回りを起さないのに、ステンボルトは必ず連れ回りを「起こす」事が当社の実験で確かめています。
★さらなる実験データがあります:同じトルクで鉄製ボルトとステンボルトを締めつけた時に、後者は「常に」ボルト軸力が前者の半分程度という事実をご存じでしょうか? これも
ステンの場合の摩擦係数が異常に「高い」事の、論理的な証明にもなります。当社では数百本の締付け事件で確認しています。
考えをお聞かせ下さい。(株)日本プララド 技術部:メアド:akdance@myad.jp