英語学習で最初に学ぶ基本構文「SVOC(M)」は、英語の語順を理解するための大切な土台です。しかし実際の英文では、この語順通りに単語が並ばないケースも多々あります。特に副詞句や前置詞句、関係詞や接続詞など、文の要素にさまざまな「修飾語」が加わることで語順が一見複雑になります。この記事では、英語の品詞と語順の関係について、基本と応用の両面から解説します。
英語の基本語順「SVOC(M)」とは
英語の文の骨格は通常、S(主語)V(動詞)O(目的語)C(補語)で成り立っています。これに、M(修飾語)が加わることで文に豊かさや細かい意味の違いが生まれます。
例えば、次のような文が基本構造の例です。
I (S) eat (V) sushi (O) every day (M).
このように、M(副詞・副詞句など)は文のどこにでも現れることがあり、語順を柔軟にします。
品詞と語順の関係:修飾語が入る場所のパターン
英語では、文の骨格をなす品詞(SVOなど)に対して、それを説明・補足する修飾語(M)として副詞句や前置詞句が加わることがよくあります。以下はそのパターンの一部です。
・前置詞句:時間・場所・方法などを表す修飾語として、文頭・文末・動詞の直後などに配置されることがあります。
In the morning, I go jogging.(時間の前置詞句が文頭)
・副詞:文全体・動詞・形容詞などを修飾し、文のどこに置かれても意味が通る柔軟性があります。
I often go jogging.(副詞は動詞の前に)
よくある語順の変化パターンと品詞の動き
英語の文構造では、品詞の役割に応じて語順が変化します。例を挙げて見てみましょう。
【例1】関係詞の挿入
The book that I bought yesterday is interesting.
→ 本来は「I bought the book yesterday.」というSVOMの語順だが、「that」で関係詞節が名詞(SまたはO)に挿入され、文が長くなる。
【例2】受動態の変形
The cake was eaten by Tom.
→「Tom ate the cake」の能動態が、「The cake」を主語にしたことで語順が変わる。
英文の語順を理解するための3つのポイント
英文の語順に柔軟に対応できるようにするには、以下のポイントを押さえるとよいでしょう。
- ① 骨格構文(SVOC)を意識する:文の主軸を見失わない。
- ② 品詞の役割と位置を把握する:動詞は必ずVに、名詞はSやO、Cになる、など。
- ③ 修飾語(M)の移動に慣れる:副詞句・前置詞句は文中のどこでも動く可能性がある。
語順が変化する典型的な文の種類
以下のような文では、通常の語順が変化しやすくなります。
文の種類 | 変化点 | 例文 |
---|---|---|
疑問文 | 助動詞が先頭に出る | Do you like music? |
否定文 | 否定語がV前に入る | I do not like coffee. |
前置詞句で始まる文 | 修飾語が文頭 | At night, he studies hard. |
強調構文 | It is … that … の形式 | It was John that I met yesterday. |
まとめ:語順はルールではなく「フレーム」として理解する
英語の語順は、品詞の役割と機能によって柔軟に変化します。SVOCという基本の枠組みを意識しつつ、前置詞句や副詞句、関係詞、接続詞などの修飾語がどこにでも入る可能性があることを理解すれば、英文構造の読み解きが格段にスムーズになります。
語順は「決まり」ではなく「フレーム」。大枠を知っておけば、あとは修飾語を加えることで自由に表現が広がります。学習を重ねることで、違和感なく自然な語順を身につけることができるようになりますよ。
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