水溶液のpHを計算する際、希釈した後のpHを求める問題がよく出題されます。特に、「pH=xの水溶液を10倍希釈した場合、pHはどのように変化するのか?」という問題では、希釈後の水溶液のH+やOH-の濃度の計算が必要です。この記事では、pHの計算方法と希釈後のpHの変化について、具体的な数式を用いて解説します。
pHと水溶液のH+濃度
pHは水溶液中の水素イオン濃度[H+]の逆数で、pHが小さいほど酸性が強く、pHが大きいほどアルカリ性が強いことを示します。水溶液のpHは次の式で求められます。
pH = -log10[H+]
ここで、[H+]は水溶液中の水素イオンのモル濃度です。pHを求めるためには、[H+]の値を計算し、その逆数を取る必要があります。
希釈後の水溶液のH+濃度の計算方法
希釈した水溶液のpHを求める際には、希釈後のH+濃度を計算する必要があります。例えば、pH=xの水溶液を10倍希釈した場合、希釈後の水素イオン濃度は次のように求められます。
pH=xの水溶液における[H+]は、[H+] = 10^(-x)です。これを10倍希釈するため、希釈後の[H+]は次の式で求められます。
[H+] = 10^(-x) × (1/10)
このように、希釈後の水素イオン濃度は希釈前の濃度の1/10倍となり、それによりpHがどのように変化するかを計算できます。
pHの計算式の応用:x7の場合
pHが7より小さい(酸性)場合、[H+]は10^(-x)の値であり、希釈後にはその値が1/10倍に減少します。例えば、pH=5の水溶液を10倍希釈した場合、[H+]は10^(-5) × 1/10となります。
一方、pHが7より大きい(アルカリ性)場合、[OH-]は10^(-14)より大きくなります。希釈後のOH-濃度は次のように計算されます。
[OH-] = 10^(-14+x) × 1/10
この計算式により、希釈後の水溶液のOH-濃度を求めることができます。
希釈後のpHの変化と注意点
希釈後のpHは、単純に水素イオンや水酸化物イオンの濃度が変化することで決まります。酸性やアルカリ性の溶液を希釈することで、そのpHは一定の法則に従って変化しますが、pH7を中心とした水の性質に影響を与える場合もあるため注意が必要です。
特に、希釈後の水溶液がどれだけ酸性・アルカリ性に変化するかを予測する際には、希釈前のpH値とそれに対応するH+やOH-の濃度を正確に計算することが求められます。
まとめ
水溶液のpHを計算する際には、希釈後の水素イオン濃度や水酸化物イオン濃度を計算する方法を理解することが重要です。希釈によって水溶液の酸性度やアルカリ性がどのように変化するかを予測するためには、pHとH+、OH-の関係を正しく理解し、適切な計算式を使うことが必要です。希釈後のpHの変化を予測する際には、基本的な計算方法を使って、どのようにpHが変わるのかを確認しましょう。
コメント