過酸化水素水の濃度を求める化学の問題の解説

化学の問題で過酸化水素水の濃度を求める方法を解説します。過酸化水素と過マンガン酸カリウムの滴定反応に基づき、問題を解くためのステップを順を追って説明します。

過酸化水素水と過マンガン酸カリウムの滴定反応

この問題では、過酸化水素水(H2O2)の濃度を求めるために、過マンガン酸カリウム(KMnO4)を用いた滴定が行われます。反応式は次の通りです。

5H2O2 + 2KMnO4 + 3H2SO4 → 5O2 + 2MnSO4 + K2SO4 + 8H2O

この反応では、過酸化水素が過マンガン酸カリウムと反応し、酸化還元反応を通じて酸素を放出します。この反応を用いて過酸化水素の濃度を求めます。

滴定では、一定濃度の過マンガン酸カリウム水溶液をビュレットで加え、反応が完了するまでの体積を測定します。この問題では、35.0mLの過マンガン酸カリウムが過酸化水素との反応を完了させるのに必要でした。

反応式から分かるように、過酸化水素と過マンガン酸カリウムは、モル比5:2で反応します。この比率を利用して、必要な量の過酸化水素を計算します。

まず、過マンガン酸カリウムのモル数を計算します。過マンガン酸カリウム水溶液の濃度が0.010 mol/Lで、加えた体積が35.0mLです。

過マンガン酸カリウムのモル数 = 0.010 mol/L × 0.035 L = 3.5 × 10^-4 mol

次に、反応式に基づいて、過酸化水素のモル数を求めます。反応式のモル比は5:2なので、過酸化水素のモル数は次のように計算できます。

過酸化水素のモル数 = (3.5 × 10^-4 mol) × (5 / 2) = 8.75 × 10^-4 mol

次に、過酸化水素水のモル数から、その質量を求めるために、過酸化水素の分子量（34.0 g/mol）を用います。

過酸化水素の質量 = 8.75 × 10^-4 mol × 34.0 g/mol = 0.02975 g

過酸化水素水の質量を求めたので、次はその濃度を求めます。問題で与えられているように、過酸化水素水の密度は1.0 g/cm³であり、20.0mLの溶液を使用しました。

過酸化水素水の質量は、密度 × 体積で求めることができます。

過酸化水素水の質量 = 1.0 g/cm³ × 20.0 mL = 20.0 g

これで、過酸化水素水の濃度（質量%）を求めることができます。

質量% = (過酸化水素の質量 / 過酸化水素水の質量) × 100 = (0.02975 g / 20.0 g) × 100 ≈ 0.149%

この問題を通して、過酸化水素水の濃度を求めるためには、反応式を理解し、滴定反応のモル比を利用して必要なデータを計算することが重要であることが分かります。

最終的に過酸化水素水の質量%は約0.149%となり、この結果をもとにさらなる分析や実験を進めることができます。