N₂ + 3H₂ ⇄ 2NH₃の平衡と全圧一定でのN₂の追加が与える影響

サイエンス

化学反応の平衡において、反応物や生成物の濃度が変化すると平衡がどのように変動するかを理解することは重要です。特に、反応における気体の体積や圧力が関わる場合、その変化が平衡に与える影響は興味深いものです。この記事では、N₂ + 3H₂ ⇄ 2NH₃ の反応を例にとり、全圧一定でN₂を加えた場合に平衡がどのように偏るかについて解説します。また、アルゴンを加える場合との違いについても触れていきます。

化学平衡とルシャトリエの原理

化学平衡において、反応物と生成物の濃度が一定のバランスに達した状態を指します。この平衡状態は外部条件(温度、圧力、濃度など)の変化に応じてシフトします。ルシャトリエの原理によれば、平衡を乱す外部からの変化に対して、反応系はその変化を打ち消す方向に反応します。

例えば、圧力が増加すれば、反応は圧力を減少させる方向(分子数が少ない方)に進行します。逆に、圧力が減少すれば、分子数が多い方に進行します。この原理を用いて、N₂ + 3H₂ ⇄ 2NH₃ の反応における変化を考えます。

全圧一定でN₂を加えた場合の平衡の変化

まず、反応式 N₂ + 3H₂ ⇄ 2NH₃ を考えた場合、反応の左辺(N₂ + 3H₂)と右辺(2NH₃)には、異なる数のモルが含まれています。左辺は4モルの気体を含み、右辺は2モルの気体です。

全圧が一定でN₂を加えると、ルシャトリエの原理によって、反応系はN₂の濃度を減らす方向に進行します。つまり、平衡は右側に偏り、NH₃の生成が増加する方向へシフトします。これは、反応が進行することで、N₂とH₂がNH₃に変わり、全体の気体分子数が減少するからです。

アルゴンを加える場合との違い

アルゴンは不活性ガスであり、化学反応に直接関与しません。そのため、アルゴンを加えても反応物や生成物の濃度が変わることはなく、平衡に直接的な影響を与えません。しかし、全圧が増加することになります。もし圧力の増加が反応の平衡に影響を与える場合、ルシャトリエの原理により、反応は分子数の少ない側にシフトします。

N₂ + 3H₂ ⇄ 2NH₃の場合、右辺の方が分子数が少ないため、全圧の増加により反応は右にシフトします。つまり、アルゴンを加えた場合、直接的に反応に関与しないにもかかわらず、平衡のシフトは見られる可能性があります。

まとめ:N₂の加え方とアルゴンの影響

全圧が一定の条件で、N₂を加えると反応の平衡は右にシフトし、NH₃の生成が増加します。一方、アルゴンを加える場合は、直接的に反応に影響を与えるわけではなく、気体分子数の変化によって平衡がシフトすることがあります。このように、化学平衡において外部からの変化がどのように影響を与えるかを理解することで、反応の進行方向を予測することができます。

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