『呂氏春秋』は古代中国の知恵を集めた書物であり、政治や道徳、戦術について多くの教訓を提供しています。楠山春樹さんの翻訳を読んでいる中で、特に「徳の本」「政事の本」「兵の本」という表現が気になった方も多いのではないでしょうか。この表現は、物事の本質や基盤となるものを指しており、また「本を忘れて末に走っている」という部分についても、重要な教訓を含んでいます。この記事ではその意味を解説します。
「徳の本」とは何か
「徳の本」は、道徳や人間の根本的な価値観、つまり「徳」の基盤となる部分を指しています。徳を成すための本質的な教えや規範がここに含まれており、政治や戦争などの行動においても、まずはこの「徳」の原則を守ることが求められます。徳を軽視して進んでしまうと、社会全体が乱れ、秩序が崩れる恐れがあるという教訓です。
つまり、「徳の本」を忘れることは、道徳的な基盤を無視することに他なりません。道徳の本質を理解し、実践することがすべての行動の前提であることを示しているのです。
「政事の本」の意味
次に「政事の本」は、政治の基盤となる原則を指します。政治における「本」とは、単に政策や決定だけでなく、国や社会をどう運営するか、そしてそのために必要な価値観や行動規範を含んでいます。
「政事の本」を忘れると、政治の運営がブレてしまい、結果として社会に混乱をもたらすことになります。政策が表面的なものになり、長期的なビジョンが欠けることになりかねません。従って、政治家はその本質を常に意識し、実行に移す必要があるという警告です。
「兵の本」とは?
「兵の本」は、戦争や軍事における基本的な戦略や原則を指します。戦争や軍事行動を行う際に、戦術や技術の前に、まず守るべき基本的な戦の原則が存在するという考え方です。
「兵の本」を忘れると、戦争における判断が誤り、無駄な損失や結果を招く可能性が高まります。したがって、戦争においてもまずは戦術や戦略の基盤を守ることが重要であり、それが勝利に繋がるという教訓が込められています。
「本を忘れて末に走る」とは?
「本を忘れて末に走る」という表現は、物事の本質を無視して、目の前の事柄にばかり気を取られ、結果的に本質を見失ってしまうことを意味します。徳、政治、戦争においても、まずはその「本」を理解し、しっかりと基盤を作ることが最も重要だという教訓です。
この言葉は、どんな事業や活動においても基本や原則を忘れずに行動することの重要性を示唆しており、短期的な利益や目先の成果に焦点を当てるのではなく、長期的な視点を持ち続けることの大切さを教えているのです。
まとめ
『呂氏春秋』における「徳の本」「政事の本」「兵の本」の考え方は、単に哲学や道徳の問題にとどまらず、社会や組織、戦争などの実践的な場面にも大きな影響を与えます。これらの「本」を忘れずに、常にその原則を守ることが、持続可能な発展や成功に繋がるのです。どの分野においても基本を大切にし、短期的な目標ではなく、長期的な視野を持ち続けることの重要性を改めて感じさせられます。
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