電子工作を始めたばかりの方が戸惑いやすいポイントの一つが、抵抗器の「W(ワット)数」の見分け方です。W数は抵抗器がどれだけの電力を安全に消費・発熱できるかを示す重要な指標ですが、初心者の方からは『大きさで判断していいの?』という疑問も多く聞かれます。この記事では、抵抗器のW数とサイズの関係、選び方のポイントについて具体例を交えながら解説します。
抵抗器のW数とは?まずは基本を理解しよう
W数(ワット数)とは、抵抗器が安全に扱える電力の大きさを示す値で、「許容電力」とも呼ばれます。この数値が小さいと、少しの電流でも抵抗器が発熱し、最悪の場合は焼損してしまうことも。
たとえば、1/4W(0.25W)の抵抗器は、0.25Wまでしか安全に使えません。それ以上の電力がかかると、熱に耐えられずに壊れてしまう可能性があります。
抵抗器のサイズとW数の関係
実は、抵抗器のサイズとW数にはある程度の相関があります。一般的なリードタイプ(足付き)抵抗の場合、大きくなるほどW数が大きい傾向にあります。
サイズ(長さ×直径) | 代表的なW数 |
---|---|
6.3mm × 2.3mm | 1/4W |
9.0mm × 3.2mm | 1/2W |
11.5mm × 4.0mm | 1W |
このようにサイズが大きくなるほどW数も大きくなりますが、メーカーや種類によって多少前後するため、完全にサイズだけで判断するのは危険です。
サイズだけでなく型番や仕様書を確認しよう
電子部品のプロは、サイズだけでなく必ず製品の型番や仕様書(データシート)を確認します。理由は、同じサイズでも材質や設計が違えば、許容できるW数も変わるからです。
例えば、金属皮膜抵抗とカーボン抵抗では同じ大きさでもW数や耐熱性が異なることがあります。通販サイトや電子部品カタログには必ずW数が記載されているので、購入前にチェックしましょう。
電子工作の失敗例と具体的な注意ポイント
電子工作でよくあるミスの一つが、「サイズだけでW数を判断し、発熱・焼損させてしまう」ことです。特にLEDの電流制限用抵抗などでは電力計算を忘れがち。
例えば、12V電源で330Ωの抵抗を使う場合、電力は計算式「電力=電圧² ÷ 抵抗値」で求めると、約0.44Wになります。もし1/4W(0.25W)の抵抗を使ってしまうと簡単に焦げる原因に。
安全な抵抗器選びのコツと計算方法
抵抗器のW数選びで失敗しないためには、実際の電力より2倍以上余裕を持ったW数の抵抗器を選ぶのが基本です。
電力の計算式は「電力(W)=電圧(V)² ÷ 抵抗値(Ω)」または「電力(W)=電流(A)² × 抵抗値(Ω)」です。必ず計算してから選びましょう。
まとめ:サイズだけでなく必ずW数を確認しよう
抵抗器のW数はサイズとある程度関係していますが、サイズだけで判断するのは危険です。必ず型番や仕様を確認し、電力計算をしたうえで余裕を持ったW数の抵抗器を選びましょう。
電子工作では、発熱や焼損を防ぐためにもW数の管理がとても大切です。正しい知識を身につけ、安全で楽しい電子工作ライフを送りましょう。
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