高校数学における媒介変数表示を用いた曲線の描き方は、初めて学ぶ際に少し難しく感じることもあります。特に、与えられた媒介変数から式を導き出す過程で、異なるアプローチが混乱を招くことがあります。この記事では、媒介変数表示された曲線をどのように求めるか、その際に注意すべき点について詳しく解説します。
媒介変数表示とは
媒介変数表示(パラメトリック方程式)は、曲線を表現する方法の一つです。xとyの座標を一つの変数(通常はt)に依存させて表現することで、曲線をより簡単に記述できます。例えば、xとyをtに依存させた式は次のようになります。
x = t + 1
そして、yの式は次のように与えられています。
y = √t
この場合、tを変数としたxとyの関係を解析することによって、描かれる曲線を求めることができます。
y = √tを使った曲線の導出
与えられた式を使って曲線を求めるには、まずy = √tという式からtを求め、その値をx = t + 1に代入する方法が基本的なアプローチです。y = √tからt = y²と置き換えた後、このtの式をxの式に代入すると、x = y² + 1という結果が得られます。
このようにして得られた式x = y² + 1は、y ≧ 0という制約がつくことで、放物線の一部を描くことになります。具体的には、y ≥ 0の範囲でのみ成り立つ曲線です。
異なるアプローチによる誤解
質問者が指摘したように、t = x – 1を使ってy = √tの式に代入する方法では異なる結果が得られるように見えることがあります。しかし、このアプローチには問題があります。y = √tからt = x – 1に直接代入してしまうと、tが負の値を取る場合が考慮されず、y ≧ 0という制約が正しく反映されません。
具体的には、t = x – 1の式をy = √tに代入すると、y = √(x – 1)という形になり、これはx ≧ 1でないと定義されません。この場合、yが負の値を取る可能性があるため、x = y² + 1の式に比べて不適切な範囲が含まれてしまうのです。
正しいアプローチを選ぶ理由
正しいアプローチは、まずy = √tからt = y²と置き換え、その後x = y² + 1という式を得る方法です。このアプローチでは、y ≧ 0という条件を確実に反映させることができ、曲線が放物線x = y² + 1のy ≧ 0部分として正しく描かれることが確認できます。
t = x – 1を代入する方法では、yの範囲が適切に反映されないため、誤った範囲が求められてしまうのです。このような点に注意して、適切な媒介変数表示を選ぶことが重要です。
まとめ
媒介変数表示を使って曲線を描く際には、変数間の関係を慎重に扱うことが求められます。特に、y = √tのような式からtを求め、それをxの式に代入する場合、範囲や条件を考慮したアプローチを選ぶことが大切です。正しい方法を選べば、曲線は放物線x = y² + 1のy ≧ 0部分として正しく描かれます。異なる方法を試すことも有用ですが、範囲に関する制約を理解した上で計算を進めることが、正解にたどり着くための鍵となります。
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