化学の基本的な問題の一つに、ある水溶液のpHを求める問題があります。今回は塩酸、酢酸、水酸化ナトリウムの水溶液について、それぞれのpHを求める方法をわかりやすく解説します。pHの計算に必要な理論と手順を順を追って説明します。
1)塩酸水溶液のpH計算
塩酸(HCl)は強酸で、電離度が1.0と完全に電離します。したがって、塩酸の水溶液のpHを計算するためには、塩酸のモル濃度をそのまま水素イオン濃度([H⁺])として使用します。
塩酸のモル濃度が0.0010 mol/Lなので、[H⁺] = 0.0010 mol/Lです。pHは次の式で求めます。
pH = -log[H⁺]
これにより、pH = -log(0.0010) = 3となります。
2)酢酸水溶液のpH計算
酢酸(CH₃COOH)は弱酸であり、完全には電離しません。問題の酢酸水溶液の電離度が0.025と与えられているので、電離後の[H⁺]を計算する必要があります。
まず、酢酸のモル濃度は0.040 mol/Lなので、電離度0.025を掛け算します。すると、[H⁺] = 0.040 × 0.025 = 0.0010 mol/Lです。
次に、pHを計算します。
pH = -log[H⁺] = -log(0.0010) = 3
このように、酢酸水溶液のpHも3となります。
3)水酸化ナトリウム水溶液のpH計算
水酸化ナトリウム(NaOH)は強アルカリで、電離度が1.0です。水酸化ナトリウムの水溶液において、OH⁻(水酸化物イオン)の濃度がそのままモル濃度に等しいため、まずOH⁻濃度を計算します。
水酸化ナトリウムのモル濃度は0.010 mol/Lなので、[OH⁻] = 0.010 mol/Lとなります。
次に、pOHを求めます。
pOH = -log[OH⁻] = -log(0.010) = 2
pHはpOHと関係があり、次の式で計算できます。
pH + pOH = 14
したがって、pH = 14 – pOH = 14 – 2 = 12です。
まとめ
今回は、塩酸、酢酸、水酸化ナトリウムの水溶液のpHを求める方法を解説しました。塩酸や水酸化ナトリウムのような強酸や強アルカリは、そのままの濃度を使ってpHを計算できますが、酢酸のような弱酸は電離度を考慮する必要があります。これらの計算を理解しておくことで、化学の問題をスムーズに解くことができます。
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