幾何学では、位相空間の同相性は重要な概念です。特に、ユークリッド平面(R^2)に異なる位相を適用した場合、それらの空間が同相かどうかを確認することは興味深い問題です。この記事では、(R^2,O_d(2))と(R^2,O)が同相でないことを示す方法について解説します。
位相空間の定義
まず、問題に登場する位相空間を定義します。(R^2,O_d(2))は2次元ユークリッド空間における通常の位相、つまりユークリッド距離から誘導される位相です。一方、(R^2,O)は密着位相(または離散位相)であり、O={R^2,φ}と定義されます。この位相は、空間内の任意の部分集合が開集合であるという特性を持っています。
ユークリッド位相は通常、実数の集合における通常の距離を使用して定義され、密着位相はすべての部分集合を開集合として扱う位相です。これらは異なる性質を持っており、同相性が成り立つかどうかを確かめる必要があります。
同相性とは?
2つの位相空間が同相であるとは、それらの空間の間に連続的かつ逆連続的な双射(連続な対応関係)が存在することを意味します。言い換えれば、一方の空間をもう一方の空間に変形できるが、その過程で切断や接続がないということです。
ここで重要なのは、同相性が成立するためには、2つの空間が「形として」同じである必要があり、そのためには開集合が対応する必要があるという点です。
ユークリッド位相と密着位相の違い
ユークリッド位相と密着位相の最大の違いは、開集合の取り扱い方です。ユークリッド位相では、開集合は距離的に連続した部分集合であり、これにより空間の「滑らかさ」が確保されます。一方、密着位相ではすべての部分集合が開集合であり、空間の「滑らかさ」は無視され、むしろ空間は非常に離散的に扱われます。
この違いが、(R^2,O_d(2))と(R^2,O)の同相性にどのように影響するかを理解することが重要です。特に、密着位相では2つの点の間の距離がゼロであっても、それらは常に分離されて扱われるため、ユークリッド位相とは根本的に異なる構造を持っています。
同相でないことの証明
(R^2,O_d(2))と(R^2,O)が同相でないことを示すために、密着位相が持つ特徴を利用します。密着位相では、すべての部分集合が開集合であるため、これに対応する連続的な写像を作ることができません。一方、ユークリッド位相では連続的な写像を作ることができますが、密着位相における開集合の性質を維持しながら対応することは不可能です。
さらに、密着位相では空間内の任意の点が互いに「接近している」ため、任意の部分集合が開集合であるという特性がユークリッド位相には適用されません。この違いから、(R^2,O_d(2))と(R^2,O)が同相でないことが明確に示されます。
まとめ
(R^2,O_d(2))と(R^2,O)が同相でない理由は、これらの位相空間が持つ開集合の性質に根本的な違いがあるためです。ユークリッド位相は連続的な空間を提供する一方で、密着位相はすべての部分集合を開集合として扱うため、同相な対応関係を見つけることはできません。これにより、2つの空間が同相でないことが示されました。
コメント