数学では、関数の極限を求めることはよくあります。この問題では、(e^x – x – 1) / x^2 という式の x→+0 における極限を求めます。テイラー展開を使わずにこの極限を求める方法について解説します。
問題設定
与えられた式は次のようになります。
f(x) = (e^x – x – 1) / x^2
この式の極限を、xが0に近づくとき、x→+0 で求めることが求められています。テイラー展開を使わずに計算する方法について詳しく解説します。
基本的なアプローチ:ロピタルの定理を使用
このような問題では、ロピタルの定理を使うと効果的です。ロピタルの定理は、極限の形が「0/0」または「∞/∞」となる場合に、分子と分母の導関数を使って新たな極限を求める方法です。
この問題では、式の分子は e^x – x – 1、分母は x^2 です。まず、x→0 で両方が0になるかどうかを確認しましょう。
分子。
e^0 – 0 – 1 = 1 – 0 – 1 = 0
分母。
0^2 = 0
よって、式は0/0の形式になり、ロピタルの定理を適用することができます。
ロピタルの定理を適用
ロピタルの定理に従って、分子と分母をそれぞれ微分します。
分子の微分。
f'(x) = d/dx (e^x – x – 1) = e^x – 1
分母の微分。
g'(x) = d/dx (x^2) = 2x
これで新たな式が得られます。
lim (x→0) (e^x – 1) / 2x
再度、x→0 でこの式の極限を求めます。分子と分母が再び0になるので、さらにロピタルの定理を適用します。
再度ロピタルの定理を適用
再び微分を行います。
分子の微分。
f”(x) = d/dx (e^x – 1) = e^x
分母の微分。
g”(x) = d/dx (2x) = 2
これで新たな式が得られます。
lim (x→0) e^x / 2
この式にx = 0を代入すると。
lim (x→0) e^x / 2 = e^0 / 2 = 1 / 2
結論
したがって、(e^x – x – 1) / x^2 の x→+0 における極限は1/2です。
ロピタルの定理を適用することで、このような複雑な極限問題も簡単に解くことができます。テイラー展開を使わずに極限を求めるための有効な方法となります。
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